梅雨の到来

気がつけば、5月もあと1週間程…。今年が半分を過ぎようとしています。

今日のお天気は雨ですが、昨日までの天気を思うと夏の到来も間近ですね。しかし、夏の前には梅雨があります。梅雨が苦手な方、多いのではないでしょうか。今日は、梅雨が苦手な方の傾向と症状についてお話したいと思います。

20年近くこの仕事をしている中で、6月から7月にかけては(主に梅雨と言われる時期)、調子が不安定になる患者さんが多い時期です。因みに、春先(2月~4月頃)も不安定な患者さんが増えるのですが、後者に関しては開業してから実感しました。

梅雨の時期に多い問い合わせは、ダントツで「痛み」に関する症状です。それも運動器の痛みで問い合わせ頂くことが多いです。腰痛、肩痛、膝痛など関節の痛みで悩む方が多くなる時期です。

対して、春先に多い問い合わせは、不定愁訴関連。

整形外科や内科にいた頃は、梅雨の時期が一番憂鬱でした。と、いうのも担当の患者さんが次々に悪くなるから。訴えも強くなるので、鍼灸治療だけでは間に合わず痛み止めの内服や、注射を併用するようになったりすることが多かったように思います。呼吸器疾患の患者さんは、喘息が悪化したり、風邪をひいて中々治らなかったりすることも多かったですね。

で、どうしてこんなに悪化する人が多いのか考えてみました。

東洋医学でよく言われるのが、この時期の病態は「湿邪」に関連するという説です。
いわゆる「湿気」も湿邪の中に含まれますが、この湿気が原因となって湿邪が滞りやすい関節を中心とした部位に痛みが出やすくなると考えられています。締め付けられるような痛みや、重くだるい痛みというのはこの「湿邪」による痛みの特徴だと考えられています。

更に、「湿邪」の中には身体の外から影響を及ぼしている湿邪と、身体の中に発生している湿邪とあります。この身体の外にある湿邪というのが天候による湿気のことで、身体の中に発生する湿邪というのは、飲食の不摂生などによって生じたりします。つまり、消化器系の疾患がある方も身体の中に湿邪が発生しやすいと言えます。

湿度が高い季節であることと、消化器関連があまり丈夫ではない方はこの時期に不調を感じやすいということになります。当院の診療中に舌を見ますが、この際に舌苔が分厚くべっとりとついている場合は、湿邪が旺盛であるという所見の一つになります。ご自身の舌を鏡で見てみて下さい。

鍼灸治療では、このようなケースの患者さんがこられた場合は局所の治療だけでなく消化器系に関連した治療も併用して行うことができます。そして、湿邪は温めることで症状を緩和することがあるのでお灸による治療もよく行います。

人間の身体って、季節や気候に影響されるもんなんだなぁと改めて感じさせられます。因みに、私が苦手なのは(以前にもここで書きましたが…)春先です笑。

笑顔の明日を作る場所
三重県鈴鹿市にある”はやさき鍼灸治療院”
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